20201017
僕は
この美しい実がなる植物の
名前を知らない
鳥か昆虫が運んできた種が
芽を出し
茎を伸ばし
結んだものなのだろう
なんとも言えない色
美しい

肥料をやり
水を絶やさなかった
わけではない
自然のまま
育った木だ
実を結ぶまでに
どれだけの奇跡があったのだろうと
考える
長雨に
根腐りすることもなく
夏の日差しに
枯れることもなく
ひっそりとそこで育ち
開花して実を結ぶ
気付いたときには
美しい姿で
そこに存在している
今日から始まる
ワークショップについて考えた
手を変え品を変え
自分の色に
染めることを目指していない
気づいた時には
大輪の花を開かせ
そこに確かに存在して欲しい
その手助けは
見えなければ見えないほど良い
俳優の輝きに
演出家の姿は
見えなければ見えないほど良い
それが僕の考え方だ
美しさを見つけて
輝く役を作り出す
それから先は
個々の気持ちひとつ
美しく実を結ぶか
気付かれぬまま時を過ごすか
新しい出会い
縁に
心が躍る