20200719

「初めまして」


衣装合わせで挨拶された時に言った


「実は、初めましてじゃないんだ。7つの時に会ってるよ」


「え?マジですか?あ!ボディガード?」


顔をくしゃくしゃにして笑った


初めて会ったのは、1987年の夏

長渕剛さんがガードする

花屋の一人息子、勉を

いじめるガキ大将グループのひとり

小学二年生の南條くんという役だった


いじめっ子の役なのに

凛とした表情と

並外れた目力が

ずっと印象に残っていた


あのドラマのスタッフと飲む時

よく、南條くんの話題となり


「あの目力は、必ず世に出てくる」と

話した思い出がある


それくらい

子役の時から印象が強かった


14年後の夏


宮田英二という名の

警察学校の生徒として再会した


今から9年前の夏


崖から落ちた周太を背負った英二は


吹き替えはいらないと言い張り


崖下から山道まで

周太を背負ったまま、よじ登った


カットをかけたタイミングで

雨が降って来た


雨宿りしながら

地面に腰を下ろしている英二と話した


「腰大丈夫か?」

「全然大丈夫ですよ。って、言いたいけど」


顔をくしゃくしゃにして笑う


「途中でちょっと後悔しました。経験したことがないくらいきつくて、びっくりしました。でも、ドラマでなければ、絶対に経験出来ないことだから。いい経験になりました」


初めて会った時と同じように

目力がすごかった


最終回、田舎の交番勤務となった英二は

きっと今頃、バリバリの刑事になり

弱いものを助けて活躍しているに違いない


時々、熱血のあまり枠をはみ出して

遠野に怒られながら



生きている限り忘れない


誰になんと言われようと

英二と過ごした夏は

僕の誇り


英二は永遠に輝き続ける



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